2013年3月29日金曜日

移転価格税制

ビジネスがグローバル化するにつれ、
日本企業が海外に子会社や関連会社を持つ事は格段に増えてきました。

それに伴って増えているのが税の問題。

移転価格税制。

以前のブログでも紹介しましたが、これは海外にある子会社や関連会社との取引額を不当に低く設定して、日本に納める税の額を小さくしようとするのを防ぐための制度。
これが適用されれば追徴課税が課されます。

最近この追徴課税を課された企業が税を納付した後に、それが二重課税にあたるとして、国に不服を申し立て、結果、税の一部もしくは全額が還付されるケースが相次いでいます。
武田薬品:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL250NJ_V20C13A3000000/
アシックス:http://www.sankeibiz.jp/business/news/130301/bsc1303012059003-n1.htm
デンソー:http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130327/biz13032714220028-n1.htm

焦点となるのは、取引額を日本にある企業が決める権限があるのか。
日本企業が主導して決められるのか、双方の対等な話し合いによって決まるのかによってそれが不当な価格であったかどうかが判断されます。

国に移転価格制度を適用されたとしても、企業は二重課税であり不服としてそれを再審査にかけてもらえる権利ももっています。
さきほど紹介した3本の記事ではどれも、再審査の末、企業側の主張が一部または完全に認められ、納付した税が利子とともに帰ってきたパターンですね。
(そうですよ、国が間違って企業の正当な利益を徴収してしまった場合には利子付きで納税分を返還しなくてはならないのです。)

グローバル化で海外進出する企業が増えれば触れるほど、懸念されるこの制度。
みなさんは大丈夫ですか?

当社では中国に特化した移転価格制度のセミナーを開催します。

経済的にも政治的にも懸念事項が多くある中国で、楽観的な予測も悲観的な予測も多い中国ですが、
その経済規模や消費者市場の大きさ、さらには日本の隣国という地理的な面を考えれば
ビジネスとして避けては通れない国になります。
子会社や関連会社を持っている若しくはこれから持つ予定という方も多いのでは
ないでしょうか?

グループ企業の利益を最大限に保つためにも移転価格制度はなくてはならない知識なので
みなさん、ぜひご参加ください。

4月12日(金)午後1時30分~午後4時30分
~移転価格文書、相互協議及び事前確認(APA)の活用~中国子会社への移転価格課税対策
講師 高木慎一先生
http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250683om.html




2013年3月28日木曜日

BRICS銀行

BRICSといえばみなさんご存じ、途上発展国と言われる国の中でもリーダー格と言われている国の集合体ですね。

構成国はブラジル、ロシア、インド、中国と言われて、スペル最後のsは複数形のsだとずっと認識されてきましたが、
近年ではアフリカ大陸で成長著しい南アフリカのSと言われるようになってきました。
(それに伴って小文字だったsが大文字Sになりましたね)

サッカーW杯で一躍全世界的に有名になった南アフリカは、アフリカ大陸随一の経済大国であり、
人種差別のアパルトヘイトを克服したことでも有名ですね。
日本との貿易関係も深く、サハラ砂漠以南の地域との貿易の5割が南アフリカとの取引であり、直接投資も7割が南アフリカ向けです。鉱石などの資源が豊富なことでも知られ、金やプラチナの埋蔵量は世界一です。
経済的な結びつきだけでなく、平和維持活動に関する講義で日本の自衛隊員が派遣されたりと、
様々な場面で日・南アの協力がなされています。

そんな南アフリカを含めた新・BRICSの首脳会議が26日より南アフリカのダーバンで開かれていました。
リーマンショック以降、欧米に変わって世界を牽引すると期待されてきたBRICS諸国ですが、実際はそれぞれが抱える国内問題もあり、期待されてきたほどの効果は発揮できずにいました。
しかし、すでに欧米の大国だけで動く元気が残っている国はなくこれからはそれら先進国とBRICSをはじめとする優良途上発展国が協力して世界経済を支えていくことが確実視されています。
国連貿易開発会議がまとめた報告書によると、2012年のBRICSによる海外直接投資の割合は全体の9%になり、10年前の比べると9倍も伸びているそうです。(そのうち中国が54%、ロシアが40%を占めるそうです。)

そして今回の首脳会議で画期的な案が前進しました。
それが今日のタイトルにもなっているBRICS銀行。

これはBRICS主導の開発銀行で、途上発展国のインフラ整備支援や外貨準備の共同構築を目的としてつくられ、

世界銀行やIMFの補佐的な役割も担えるのでは?と期待されているもので、
今回の合意で正式交渉に入ったと報じられました。
(この案自体は1年前の首脳会談ですでに出されたものなのですが・・・)

BRICS内部では
中国のアフリカ支援が欧米列強による植民地時代の1次産品を安く買って、工業製品を売りつけることに酷使していると非難をされたり、
インドが中国包囲網に参加しているのでは?と懸念されたり
一方で中国とブラジルが通貨交換協定を結び、年間で最大300億ドルの自国通過融通を合意するなど 
それぞれが途上発展国で自国の利益を確保しなければならないという状況下で
いろんな思惑が錯誤しています。
http://mainichi.jp/select/news/20130327dde007030003000c.html
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJT831593020130326

しかし、今回の主要途上国主導の開発銀行が成功すれば、
途上発展国が途上発展国を支援する、金融危機に陥った際に途上国同士が助け合う、画期的なシステムが出来上がることになります。

目が離せないニュースの一つになりそうですね!



2013年3月27日水曜日

医療機関をめぐるビジネスチャンス

久しぶりに当社が主催しているセミナーに出席してきました!

いやあ、何度出席しても最初の方は緊張しますね・・・
喋りが上手い講師の先生が多いので次第に緊張が解けてセミナーも楽しくなってくるのですが。

今回は医療機関の事業再生や経営のコンサルティングをやっている先生のセミナーでした。

本題の医療機関ビジネスに入る前に現在の日本の医療現場の現状をデータで教えてもらったのですが、ここではちょっとだけ私が衝撃を受けたデータを紹介しましょう。

日本が病床を増やすこと、ベッドのある病院を増やすことを政策的に頑張ってきたので(一方で医師の数は不足しているのですが・・・)、
日本では入院者数を伸ばして病床を埋める傾向にある。

という事実です。聞いたときはびっくりしました。
しかし、これを裏付けるようにOECDや厚生労働省が発表したデータを比較すると日本の人口当たりの入院患者数はOECD平均の2倍上となっておりとなっています。(人口1000人で平均5.5人対し、日本は11.4人)
加えて人口1000人当たりの医師数は平均よりも3割少ないため、
医師一人が担当する入院患者数がOECD平均の2倍強となってしまい、医療の現場の過酷さがちょっと想像できてしまいました。。。
入院に関してもう一つ面白いデータ。
なんと日本は入院患者の割合が多いだけでなく、その期間も長いのです!
なんと平均の2.7倍!
(何事にも慎重と評される国民性が影響しているのでしょうか?)

そしてセミナーは本題へ。

医療機関のコンサルティングに従事している講師の小松大介先生が経営改善を図るときの治療方法は3つ。
外科的手法、内科的手法、漢方的手法 と先生は表現していました。

具体的に、
外科的手法とは「切った、貼った」 つまり、リストラや思い切った大改革など
内科的手法とは「じっくり治す」 つまり、売上改善、コスト削減や各種改善など
漢方的手法とは「体質改善」 つまり、組織作り、モラルアップや教育など

この3つの手法をどの医療機関の時にも原則としてすべて当てはめてやっていくそうです。
セミナーでも様々な実際の案件の紹介がありました。

全ての事例に置いて、再生させた医療機関に共通していることが一つあっと思います。
それはその医療施設にしかない強みを伸ばしたこと。
近隣にある医療施設と差別化を図り、その医療機関の存在価値を強めたことにあったと思います。

これは、医療機関だけでなく、他にもいろんなとこで使えそうな理論ですよね。

セミナー中にはこれからの高齢社会で、ますます増えるであろう老人ホームについての話もありました。
先生は老人ホームの経営立て直しの経験もあり、
体の不自由が奪われ、全体的に暗かった雰囲気を
効果的なリハビリを通して体の自由がだんだん戻ってこれるということを示し希望を入居者に持たせ、明るい雰囲気作りに成功し、経営も格段によくなったんだそうです。

先生のテンポのよい話術と豊富な事例で、いい勉強ができたセミナーでした。
小松大介先生、ありがとうございました。

2013年3月26日火曜日

ホンダF1復帰

みなさん、こんにちわ。

先週初めにホンダがF1復帰検討の最終段階に入っているというニュースがありました。
創業者の本田氏がレーシングチームとしてのホンダを非常に重要視してきたことから、これまでの業績との兼ね合いでF1参戦と撤退を繰り返してきたホンダ。
今度の参入はレーシングチームとしてではなく、エンジン提供での復帰を2015年をメドに最終調整に入っているとのことです。
90年代に黄金時代を築いたホンダ・マクラーレンタッグの復活を望む声も数多く聞こえますね。

さて、ホンダのこのニュースはビックニュースとして多くの報道機関で扱われてきたので、
ご存じのみなさんも多かったかと思いますが、普段の生活で「そのニュース知っておきたかった!」
って思うことってありませんか?

そこで、このブログでは新しいコンテンツとして先週起こった出来事の中で
・みなさんの生活に直結するためになるニュース
・ビジネス、特に海外進出などの分野のお仕事の方が見逃せないニュース
をまとめてお送りすることになりました!
ぜひ、お楽しみください!

それでは先週3月18日~3月22日分をどうぞ!

3大キャリアが東京メトロ全線で携帯のデータ通信が可能に
 3月21日正午~これまで一部で試験的に実施されてきた地下鉄でのデータ通信が全線に拡大されるそうです。

世界最大の集光型太陽熱発電がアブダビに完成
 アブダビはアラビア半島のペルシャ湾岸にあるアラブ首長国連邦を構成する国でしたね

アメリカ主要500社のうち101社が第一四半期利益が悪化見通し
 一方見通しを上回る予測なのは23社・・・依然として不景気から抜け出せませんね・・・

シャープへのQualcomm 第2次出資が延期に
 協議は継続して行うとのことです。かつては日本を代表する企業のシャープ早く復活してほしいですね。

キプロスショックでユーロ混乱
 キプロスの情勢次第でユーロが下落したり、買い戻しがおきたり、期待で反発したり、ユーロ変動の激しい一週間でした。以前のブログ記事でもお伝えした通り、銀行の全預金者への課税を条件にしたEUの支援策は議会で否決されてしましました。結果として高額預金者だけを対象にした課税で合意が得られましたが、これからの動向も目が離せませんね。

中小企業の支援を目的とした「KDDI オフィス」が全国展開へ

日本ミャンマー投資協定へ交渉会合開く
 日系企業がよりよい環境で進出できるための協定です。今回で2回目になります。

内閣支持率70%越え
 アベノミクスへの期待や評価が大きな原因のようです。

JR東日本のスイカ、全国利用へ
 スイカの他にも関西のイコカなど全国10のカードが相互利用できるようになります。

キリンHD 発行済株式5.2%を上限に自社株取得へ

中国、日本に次ぐアジア2位の債券市場へ

インド国産の電気自動車「e2o」来年度に国外市場へ
 値段は約100万円。 最高時速80キロで5時間のフル充電で100キロほど走れるそうです。
 環境に優しいとされながらもその高価格がネックだった電気自動車、これで一気にふきゅうできるのでしょうか?

裕福なイスラム教徒の旅行者は一大ビジネス
 そのターゲット層は中国の2倍以上もあり、アメリカよりも多いとされています。
すでに先進観光国ではイスラム教徒に合わせた食事や宗教的なニーズにこたえる要求もととのえています。

中国太陽電池最大手 サンテックパワーが破産
 欧米との貿易摩擦や反ダンピング・反補助金課税が重荷となったようです。

EVをを災害時の給水用電源に
 住友不動産で初めて導入されるそうです。

ミャンマー中部で仏教徒とイスラム教徒が衝突で非常事態宣言発令へ

日中韓FTAが今月末に始動
 領土問題等で政治的な対立が続きますが、経済では協力していきたいですね


2013年3月25日月曜日

新入社員向け!

さあ、3月も終わりに近づいてきました。

桜の花も咲き始め、代々木公園や日比谷公園など都内の公園には花見客がぞろぞろと集まる季節になってきました。
天気も暖かくなり、冬物のコートをクリーニングにだそうか?と考えている方も多いのではないでしょうか?

会社ではそろそろ移動や転勤が決まる時期、4月に入れば新入社員が入ってくる時期。
みなさん新年度にそなえる準備は整っていますか?

新しいことに挑戦するにはそれにふさわしいだけの知識がなければ成功しません。

当社では新年度からもみなさんがビジネス上で成功を収められるように、
様々な分野のセミナーを開催いたします。

みなさん、どうぞ奮ってご参加ください。

以下、新社会人・初級者向けのセミナー一覧になります。
興味があるものがありましたら、お気軽にご連絡ください。

4月8日(月) 《新入部員・初級者向け》 経営に貢献する内部監査の基本
http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250645om.html

4月11日(木) ソーシャルメディアトラブルと企業対応 ~企業が取るべき事前対応・事後対応~

4月12日(金) ベトナム進出のための基礎知識 ~ベトナム人と上手に仕事をするために~
http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250681om.html

4月17日(水) [新任監査人向け内部監査入門コース] 監査部門による内部監査の実務http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250717om.html

4月19日(金) タイ ビジネス法の実務 ~現地での実例を踏まえて~http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250731om.html

4月24日(水) アジアの英文JV契約マスター塾 ~アジアで勝つためのJV契約活用法~http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250767om.html

4月25日(木) Excel演習 回帰分析と数値予測・判別分析 ~複数の変数データを分析し、近未来の数値を予測・判別する~http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250771om.html

4月26日(金) Q&Aで学ぶ英文契約書の基礎知識http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250780om.html

4月26日(金) 法務部のタックス・マインド ~全社クライアントから期待される税務知識を、最近話題のトピックまで~http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/250781om.html



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