2013年5月17日金曜日

ASEAN

先週末にRCEPの第一回交渉会合が行われ、多くのメディアで取り上げられ、注目されている方も多いのではないでしょうか?

RCEPとは東アジア地域包括的経済連帯のことです。
最近、アジアでも地域経済化の動きが活発になってきましたね。
ASEAN SUMMIT HUAHINAPEC,TPP,東アジアサミット(ASEAN+8),ASEAN,ASEAN+3,ASEAN+6,そして今回のRCEP・・・・これらはすべて現在交渉中またはすでに形成されたアジア太平洋地域における経済連帯の数々です。

上にあげたものを見てもらうと・・・・・ASEANが一つのキーポイントになっているのがわかりますね!

そこで、今日はASEANのことを紹介してからRCEPの紹介もしようと思います!

1967年の8月に設立されたASEANは1976年から域内協力を開始。外資規制によって輸入代替工業化を目指しましたが、この政策は思うような成果を上げられず、1987年に政策を一転し、開発戦略を外資依存型輸出志向工業化を目指しました。この時の加盟国はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイの6か国で後に加盟した4か国と区別するために原加盟国とも言われています。
プラザ合意で日本からの直接投資が急増したこともあり、新しい政策は功を奏し安泰になった・・・・・・かに見えた矢先、1990年 はじめから中国が改革開放によって急成長したため世界中の投資が中国に向け始められるようになりました。

自分のところに投資を呼び戻す必要があったASEANは1992年に開かれた首脳会議で自由貿易地域の推進を決めます。 1997年にアジア通貨基金でタイやインドネシアなどが大打撃を受け、通貨構造の急変などの問題がありましたが、自由貿易地域の工業製品の関税を5%以下にするという目標を当初の設定よりも5年前倒して2003年に達成しました。(原加盟国のみ)
それ以降は一つの経済共同体(ACE)になるための準備に入っています。

ASEAN SUMMIT HUAHINその間にASEANは加盟国を広げていきました。後から加盟したカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの4か国はその頭文字をとってCLMV諸国とも呼ばれ、原加盟国に比べて経済発展が遅く、現在急成長と遂げている国ですがこれからもその成長を続けるためには運輸やエネルギー、通信などのインフラ整備が重要になってきます。
現在、ASEAN域内での原加盟国とCLMV諸国の格差が問題視され、ASEANデバイドとも名づけられていますね。これから説明するRCEPについても原加盟国にとっては有益な面が多いのに対し、CLMV諸国にとってはハイリスクハイリターンの賭けとも言われており、それが交渉を左右さる一つの原因ともみられています。

設立当初は弱小国同士が手を結ぶことによって大国の圧力と脅威を守る目的だったものも、アジア経済が成長し、世界の成長センターといわれるまでになった現在ではASEANとして同調していくことが必ずしもそれぞれの国益の最善の選択肢とはならないことも多くなりました。
護送船団方式に限界を感じ、域外との積極駅なFTA外交を進めてきたのはシンガポールとタイが最初で、最近ではベトナムとマレーシアでもその動きが活発になっています。

ここまでみると、EUみたいな組織を目指しているのか? と思い方も多いかもしれませんが、
ASEANは現在自由貿易地域であり、内政不干渉が原則であり、域外との通商政策は各国の裁量にゆだねられており、政策の一本化を求めるEUとは性格が違います。またASEANの決定には法的拘束力がありません。
先ほど現在ASEANでも経済共同体を目指しているといいましたが、
EUが「モノ・サービス・人・資本」の移動の自由化を達成し一つの市場として動こうとしているのに対しASEANが求めるのは包括的な経済連携協力であり、EUに比べて統合の水準低いものとなっています。


近年、貿易転換効果による不利益を回避するために周辺国はASEANとFTA締結することによって潜在成長性が高い市場を手に入れようとし、これまで日本のほかに中国、韓国、インド、ニュージーランド、オーストラリアの6か国が締結してきました。
しかし、対象分野、原産地規則、自由化の水準、例外規定、関税削減方式などがそれぞれ異なっていたことから実務が煩雑になり効率が悪いスパゲティボール現象が起きていました。

その解決策としてこれまで日中でそれぞれASEAN+3、ASEAN+6の経済連携圏の構想を推していましたが、話し合いは平行線でなかなかまとまらずにいました。
しかし、TPP交渉や日中韓FTAの進行でアジアの経済統合の主導権がほかに奪われるこちになりかねないことに危機感を感じたASEANは、日中の構想を融合し、自らに主導権を置くRCEPを提唱したのです。

170409-ASEAN-ASIA-Forum-2009-Singapore-Economic-Challenges-facing-ASEAN-and-Asia-Hidetoshi-Nishimura-Muh-Chatib-Basri-Joseph-Tan-Neo-Boon-Siong-Timothy-OngRCEPの現在の交渉テーブルについているのはASEANとFTAを結んでいる6か国とASEAN自身を入れた16か国で、 人口34億、GDPシェア28.4%、2015年までの域内平均GDP成長率7.1%の一大経済圏でです。

TPPと大きく異なる点はは主導権がASEANにあることに加え、参加国の事情に配慮してある程度の例外を認める柔軟な姿勢にあります。

RCEPの8原則は
・WTOとの整合性確保
・ASEAN+1FTAからの大幅な改善
・貿易投資の円滑化・透明性確保
・参加途上国への配慮
・新規参加条項の導入
・参加途上国への経済技術援助
・物品・サービス貿易、投資及びその他の分野の並行実施

 と定められていてます。参加国に途上国が多いことに配慮した内容になっていますね。
対象分野は

物品貿易、サービス貿易、投資、経済技術協力、知的財産権、競争、紛争処理、その他

の8つと定められており、先日行われた第一回会合では物品貿易、サービス貿易、投資の3部会が立ち上げられました。

第二回会合は今年9月下旬の予定にオーストラリアで開催される予定で、電子商取引や環境、労働、技術協力、紛争解決に関する部会が設けられる見込みです。

さあ、ますますアジアビジネスが面白くなってきましたね!
アジア地域経済連携がこれから先どうなっていくのはかには目が離せません!


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みなさんどうぞ参加を検討してみてください!
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2013年5月14日火曜日

記録的暑さ

 だんだんと暑くなってきましたね、昼間に歩くと汗ばむような気温です・・・
実際には気分がどよーんとなるような梅雨の時期を経て本格的な夏にこれから向かっていくのですが・・・・

今年は記録的に暖かくなるのが早く、例年より桜の開花も散るのも早かったですね。
NASAによると2013年は記録的に暑くなるらしいですよ・・・
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2921012/10113006

さて、最近のカラっとした晴天と同じように先週の日本経済では気持ち良いニュースが続きましたね。

ソニーが2013年3月決算で5年ぶりに黒字
日産が2014年3月期の連結営業利益前年比16.5%増で6100億円の見通し
パナソニックが2014年3月期の連結当期純利益で500億円の黒字へ

会計上のからくりだ!と一部では言われていますが、何はともあれ日本を代表する企業が回復していくのは喜ばしいことです。

さて、先週他にどんなことがおきていたのでしょうか?
みてみましょう!


日台湾漁業決定10日発効
日本の排他的経済水域で台湾漁船の操業が可能になる取り決めです
が、漁獲限度については日台間で詳しい取り決めが決まっておらず、ルールが決まるまで自粛を呼びかける日本に足して台湾は調印した4月10日以降すでに操業を始めていることを明らかにしています
 
前回の選挙よりも議席数を減らし今回の目標獲得数にも達しないなど首相の求心力の低下が叫ばれていますが、56年に及ぶ与党の長期政権は維持しています。
 
コスモ石油、ヒュンダイオイルバンクと災害時相互融通へ
日本の石油元売り会社であるコスモ石油が災害時に委託精製や石油タンカーを相互融通する取り決めをヒュンダイオイルバンクと結びました。コスモ石油は2008年すでに石油事業でヒュンダイオイルバンクと包括的協力で合意しており、韓国内で石油化学製品を生産する合弁会社を設立しています。

日本、中長期的産業競争力のために現世界3位のスパコン京の100倍になるスーパーコンピューター開発へ

丸紅、インドネシアでうなぎ養殖へ
丸紅が生産過程を管理し、抗生物質を使わないなど安全面競争力の高い商品を目指すそうです。価格では現在市場の大部分を占める中国・台湾産と同程度に抑える見込み

日本、産業用ロボット規制緩和へ
小規模工場でも産業用ロボットを取り入れられるように、いってい出力以上のロボットの稼働範囲に作業員が立ちいることを禁じている法律の規制を見直すとのことです。欧州や中国ではすでに安全対策措置がとられていれば稼動可となっています。


カナダ・オンタリオ州の地元企業優遇政策で日欧勝訴
オンタリオ州政府が地元企業の太陽パネルを優遇しているとしてWTO対して外国企業差別対策として訴えていた通称紛争で日本とEUの主張を全面的に認める報告書がWTOの最上審に当たる上級委員会で公表されました。
政策では太陽光パネルなどの発電設備に対して高い地元製品の使用率を課しており、これによって日本からの輸出はほぼ提出した状態になっていました

ブルネイでアジア広域FTAの第一回会合
内容やTPPとの違いなど詳しいことを次回コラム記事でお伝えいたしますよ!お楽しみに!

カンボジア今年にも下位中所得国入りへ
2012年の一人当たりGDPが970ドルに達し、今年にも下位中所得国の基準である一人当たり1026ドルを突破する見込みであることがわかりました。フンセン首相は2030年までに上位中所得国の基準である4036ドルも突破する野心の高い目標を掲げていますが、アジア開発銀行によれば、今後20年の平均成長率は8.1%になる見込みであり、現在の状況は爆発的な成長を遂げたタイに似ているとし、不可能ではないとしています。ちなみにタイの2012年の一人当たりGDPは5678.48ドルです。

NEC インド西部でイチゴ栽培へ
NECではセンサーや通信などのNECの技術をいかして農業の生産性を高める農業クラウドシステムを新興国で展開しており、富裕層を中心に販売ルートを開拓するそうです。

日本式介護、中国輸出加速へ
質の高い介護として中国で日本の介護システムが人気のようです。
一人っ子政策の影響で急速な高齢化が確実に進む中国では介護施設などの需要が急増
日本にとっては大きなビジネスチャンスとなりそうですね。
 
  イスラエルのネタニヤフ首相が訪中し習国家主席、李首相とそれぞれ政治・経済面での会談をしたとのことです。
 
上海市、H7N9型鳥インフルエンザの警戒態勢解除
4月21日以降感染が確認されていないことから、4月2日に発動した警戒態勢が解除されました。
中国他地域では依然として感染例が報告されているので出張なので訪れる方は注意してくださいね。
 
サウジアラビアを中心に中東で感染が確認されている重度の呼吸器系の症状を引き起こす新型のコロナウィルスがフランスでも感染が確認されました。これまで感染が確認された31人のうち18人の死亡が確認されています。 
最新! 12日に2人目の感染確認とのことです。
 
最後に・・・・経済とは結びつきがないのですが・・・息抜きニュースとして・・・・
 
オランダの民間団体が火星への片道切符を販売したところ申し込みは7万8千人以上集まったそうです。支払額は決まってないとのことですが・・・・・
ちなみに、新しいエンジンの開発によって30日ほどで火星に行けるようになるそうです! 
このオランダの団体は7か月を使って火星に向かうプランのようですが。
 
youtube、近いうちにゆう有料チャンネル導入の動き
広告以外での収入源を模索しているyoutubeが月間1.
99ドルで観れる有料チャンネルの導入をかんがえているそうです。。。あくまでも関係者による有力情報のリースという形ですが。。。仕事の息抜きで使っている方も多いのではないでしょうか?有料番組誕生だとしたらどんなものになるのか楽しみですね!
 

 


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