さて、今回のコラムは前回の続きですね。
覚えていますか?ラマダンの話ですよ!
(よく覚えていない方はぜひバックナンバーの中なら見つけてみて下さい。)
さっそくですが、では一体どれくらいのイスラム教徒が今回のオリンピックに参加しているのでしょうか?
なんと、約3000人以上いるのです!
実はコーランの定めの中には
「遂行する目的がある場合には断食を延長することができる」
とあるので、エジプトやサウジアラビア、マレーシアなどの国ではそれに則って、国の見解として
五輪期間中の選手の断食は免除するとしています。
またIOC(国際五輪委員会)及び各イスラム今日国家も基本的には
五輪期間中の断食の実施を避け、大会後に延長することを推奨していますが、
最終的どうするかは各個人の判断にゆだねることになっています。
というわけで、
サウジアラビアの柔道代表、へシード・ドリエ選手のように
「私たちがどれほど罪深くとも、アラーの神は慈悲に満ち、あわれみ深い」
として大会期間中は禁を破ると表明したり
イギリスのボート代表、モハメド・スビヒ選手のようにイスラム教指導者に相談したうえで、
大会中は断食を行わずに、終了後に行い、その償いとして父の母国であるモロッコに1800人分の食料支援をすると表明する選手もいれば
カタールの射撃代表、バヒヤ・ハマド選手のように試合の前後は飲食するが、休みの日は断食し、終了後改めて断食を行うとしている選手もいます。
しかし、サウジアラビアのウエートリフティング代表、カディジャフ・ファヘド・モハメド選手のように
「私にとってはメダルもイスラム教も両方大事、どうしたらいいかわからない」と混乱に陥ってしまう選手ももちろんいます。
多くのイスラム教徒選手が五輪期間中もしくは自身の試合の間は断食を避けるなどして実施期間をずらして対応するようですが、予定通りに実施する敬虔な選手も少なからずいます。
前回のコラムでも少し触れましたが、モロッコのサッカー代表選手は厳格に決まりを守ることを選択したのです。
(同チームのピム監督は、ラマダンを実施した9選手に対して、試合中明らかに疲れが見られたが、彼らの状況を考えればあれだけの動きをしたのをとても誇りに思う。しかし、それを敗戦の言い訳にしてはならないと潔いほどのスポーツマンシップを見せましたね。)
さらに、忠実な教徒の中には
「ラマダンは聖なる期間なので、たとえ断食してもむしろ集中力が増してパフォーマンスが向上する」
と精神面でのプラスを強調したりもします。
(これに関しては、サッカーのような長時間にわたって持久力が必要な競技においてラマダン中は明らかに格段にパフォーマンスが低下するという科学的なデータがあるのですが・・・・・)
五輪への影響は少ないとして開催期間を変更したいと決定したIOCですが、
断食する選手に配慮し、オリンピック村の飲食施設を24時間営業とし、
水と栄養食品と果物の「断食明けセット」と提供するなどして対策しています。
(もう一度強調しますが、イスラム教徒の断食とは完全に飲食しないことではなく、日没後~夜明けまでは食べたり飲んだりしていいんですからね!)
でもこの時期のロンドンの日照時間は17時間とされています・・・・・
17時間も飲まず食わず・・・・私には絶対無理でしょう・・・・
今回のオリンピックは1980年のモスクワオリンピック以降では初のラマダン中の開催になるます。
メダルの数だけでなく、こういうことにも注目してみるとさらにロンドンオリンピックを楽しめると思いますよ。
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