Due Diligence.....カタカナにするとデューデリジェンス
省略記号はDD。
M&Aが盛んになった来た今、DDは頻繁に聞くワードになってきたのではないでしょうか?
では実際のM&A取引においてDDがどの段階で登場するのか確認してみましょう。
例えば、株式場を契約の場合の一般的な手順は以下のようになります。
(あくまで一例なので、実際の契約では手順がもっとあったり、逆に省略されるパターンもあります!)
初期接触・交渉
↓
秘密保持契約
↓
↓対象会社に関する基本的情報の開示と検討、基本的な条件の交渉
↓
基本合意書
↓
↓対象会社の本格的な精査(DD)、正式契約の交渉
↓
正式株式売買契約書
↓
↓対象会社に関する補足的な精査
↓
株式譲渡の実行
↓
↓許認可手続きその他の正式契約に定める取引実行の前提条件の充足
↓
正式契約で定められた実行後に行うべき義務の実行
DDのお話をする前にこの一連の流れで気をつけてほしいのは秘密保持契約。
これはどんな契約であろうと必ず結んでおかなければなりません!必ずです!
どんなものであろうと一度開示した情報は二度と完ぺきには消せないと覚悟してください。
交渉の最中には社外機密情報を含むことも大いに考えられます。なので、基本合意書に前に秘密保持契約を結んでおくのです!
さぁ、話をDDに戻しますが、契約時で登場する場所はもうつかめましたよね?
(実は、日本語だとよくわからないかもしれませんが、対象会社に関する補足的な精査も英語だと
Pre-Closing Due DiligenceもしくはConfirmative Due Diligenceで表示されるDDの一つなのには注意してくださいね!)
では、今日はDDの存在意義について少し確認してみましょう。
Duw Diligence、そのままの直訳だと「(当然払うべき)相当な注意」。
企業を買収する時に、一時の不注意で隠れた大問題を発見できずに買収話を進めてしまい、その結果会社が大損害を被ったら大変ですよね。
その範囲は、一般的な法律系のものから会計・税務、人事、システム、環境に至るまでかなり広範囲です。
DDをやる目的とは、取引するかどうかの決定とする場合の取引条件の決定にあります。
重大な違法行為がある場合や、環境問題を抱えている場合には取引をするわけにはいきませんよね?また許認可の維持問題や多額の偶発債務などもここで考慮する必要があります。
精査の結果次第で取引そのものや取引額・条件が大きく変わってくるのです!
通常はDDは1~2カ月間かけて行います。
どこに重点をおいて精査するのは取引の形式によって変わってきます。
例えば株式売買なら、会社そのものを購入することを意味するのでDDは広範囲にわたって行うの普通です。事業譲渡だと、ここの継承資産(不動産、知的財産等)が重要になり、契約の継承は相手方の同意のもとで再契約が必要になります。合併や統合の場合は取引を注意する要素がないか、統合比率に重大な影響を及ぼすような法的問題がないのかが大切になります。また原則として合併・統合後に解除は損害賠償はできない点、権利・義務も全て継承するので偶発債務の有無の確認も重要になってきます。
ではDDを行う上での注意点とはなんでしょう?
まずはDDも完ぺきではなく限界があるということです。
強制捜査権はないので、自主的に提出してこない資料は調査できないのです。
裁判の判例では原則として積極的な情報開示義務はなく、ウソは伝えてならないという消極的な情報開示義務を負うにとどまるとなっています。
また 誰に聞くか ということも大事になってきます。
みなさんの身の回りにもいると思いますが、うわさ好きの人もいれば、口が堅い人もいます。
根も葉もないうわさに惑わされて、正しくない情報を報告し、それが問題視されて取引内容が変更になることもあるのです。
ですので、事情を人に聞くときはどんな人を捕まえて聞くのか、誰に聞いているのかということが大事になってきます!
(これはDDに限らず日常生活でも気をつけたいことですね!)
では、今回のブログはここまで!
次回のブログでは法務DDのチェックポイントについてです! お楽しみに!
今回の内容は1月24日に開催された石川智也先生のセミナー「法務デューディリジェンスのチェックポイントと契約への反映・交渉」から情報を得てます。
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