演題:「内部通報制度と運用上の留意点」
講師:西村あさひ法律事務所 弁護士 山本憲光氏
日時:2017年6月2日(金) 9:30~12:30
企業の自浄能力や内部統制能力の要求が高まる中、その一環として社内におけるコンプライアンスや企業倫理に関する通報を受け付け、専門の部署や外部機関により調査・是正を行いコンプライアンス・企業倫理の維持向上を図る制度が内部通報制度です。今回、この内部通報制度の概要と運用上の留意点などについて、西村あさひ法律事務所弁護士の山本先生に講演をして頂きました。
先生はまず、「内部通報」と「内部告発」の違いを丁寧に解説して下さり、企業の自浄能力という観点から内部通報制度の重要性を強調されました。また、過去に内部通報をした社員が不利益取扱いを受けた事例や、内部通報が機能していない企業の事例を紹介された上で、社員が通報しやすく、企業の適切な通報処理を義務化した法制度として公益通報者保護法の内容について解説して頂きました。その上で、今後の内部通報制度の運用にあたり重要な留意点として内部統制システムの高度化や企業の自浄能力の維持、より確実な通報者の保護といった点を挙げられました。最後に行われたケース・スタディでは、参加者から積極的な発言や質問が相次ぎ、本セミナーで学んだ知識や考え方をアウトプットする絶好の機会となったようです。
自分自身、これまで「内部通報」と「内部告発」の違いを意識したことが無かったため、両者の意味やもたらす影響の違いなど、非常に新鮮で勉強になる論点が数多くありました。同時に、企業の内部不祥事が「内部告発」によって社会問題化するケースが後を絶たない昨今、内部通報はあくまでも企業価値を守るための制度であり、その重要性が年々増しているということを認識することができました。
インターン生 法学部3年
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