平成29年6月15日(木)14:00~17:00
講師 山下聖志氏
山下総合法律事務所 弁護士 ニューヨーク州弁護士
英文契約は、欧米やオセアニア地域に限らず、国際取引で広く用いられます。しかし英文契約では法律英語の理解や、ベースとなる英米法の理解、さらには取引先の国・地域ごとの法制度・商慣習・リスクをふまえた規定などが必要とされ、一見そのハードルは高いように思われます。
セミナーでは、英文契約を効率的に読み込むために、そのポイントの解説と実践を行いました。そもそも契約は、当事者の権利義務を定めるものですが、この権利義務関係は一方が有利になれば他方が不利になるものと言い換えられます。自社の立場を踏まえ、契約の全体像を押さえていくことで注意すべき点や修正すべき点を明らかにしていくことができます。
また個々の契約の条項にはある程度決まった考え方とパターンがあり、これを押さえることも効率的な読み込みに有効です。
たとえば、損失補償について、相手方に損失を与えた場合には、国や地域によって補償の可否・範囲が異なってきます。そのため損失補償条項はいかなる場合も重要となりますが、「誰が」「どのような場合に」「何を」補償すべきか
を規定するのが損失補償条項の基本的な考え方のパターンです。
さらに講義中には、契約の読解法のみならず、相手の提示する条項を否定せず契約を修正し交渉を円滑に行っていくための便利な言い回しやテクニックの紹介があり、講師の実務経験に基づく非常に発展的な内容を聞くことができました。
このように読み方を学んだことで、英文契約に対する抵抗感が薄れたように思います。また交渉を円滑に進め、さらには自社に不利益な内容を受けいれてしまうリスクを軽減させるためにも、ポイントを押さえる読解は不可欠なものだと感じました。
インターン法学部3年
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