前回のセミナー内容紹介ブログでは、SNSの特徴やトラブルが起こった場合の初期対応のクイズでしたね。
今日はそのトラブルを未然に防ぐための方法です。
どういう風に社内制度を整備すればいいのでしょうか?
従来からある就業規則や誓約書に何らかの条件を盛り込めばいいのでしょうか?
モニタリングすればいいのでしょうか?
従来の就業規則に条件を盛り込む場合は次のようなものが考えられます。
・社内でのSNS使用禁止
・SNSのアカウント登録も含む勤務時間外でも使用禁止
・アカウントの届出制
社内での勤務時間中の会社設備を使用してのSNSは職務専念義務があるため禁止しても問題はありませんが、会社として勤務時間外の行動まで規制することは過度の干渉とみなされる上に
実現性もかけます。
(写真の携帯やpcをいちいちチェックするわけにはいかないですからね、終電逃してネットカフェ行ったときは・・・・・・)
また、アカウントの届出制というものでも従業員の私的領域にかかわる可能性が非常に高いので個人情報の保護と観点から問題があります。
(アメリカのイリノイ州では実際にこのような企業の活動を制限する法律が存在します・・・・もっとも日本ではソー活と言われる形で企業が就活生の情報を収集する手段が最近ではとられていますが・・・)
誓約書にしても個別の同意を得られたとしてもSNSの使用禁止にするのは厳しいものがあり、業務上知りえた秘密をSNSで漏洩しない、顧客や取引先の誹謗中傷を行わないなどの利用態様の制限が限度です。
ではモニタリングを利用する場合はどうでしょうか?
従来の場合ですと以下のような方法が考えられます。
会社のPCからのSNS利用に関するアクセスログ等を取得
もともとSNSというものは携帯端末からの利用が主であり、私物に対する会社のモニタリングはもちろんプライバシーの問題にぶち当たる。
また会社のPCでも私的の利用だったものまでやってしまうとこれもプライバシー侵害や個人情報保護法の問題にぶち当たります。情報の漏えいや、セクハラ、ストーカー等への問題の対応としては必要性は高いものの、継続的なモニタリング、電子メールの中身まの確認、従業員の調査協力義務の発生等には十二分に留意し、経産省から出されているガイドラインの要求事項にも注意する必要があります。
(また、会社のモニタリングに関してはいくつか裁判が行われており、気になる方は「電子メールモニタリング事件」、「日経クイック情報事件」、「労働政策研究・研修機構事件」のキーワードで調べてみて下さい!)
このように、就業規則や誓約書、モニタリングで予防策をカバーしようにもどれも現実的でなかったり、限界が存在します。
そこで、登場するのが、ソーシャルメディア・ポリシーというもの。
現在では多くの会社で公表されるようになりました。今回私が出席したセミナーの北岡先生が特に優れているとしてピックアップしたのは花王株式会社のものとコカ・コーラ社のものでした。
ちょっと2つを紹介すると・・・・
花王株式会社のガイドラインでは
・関係者(ステークホルダー)を尊重
・個人情報保護の配慮する
・機密情報を公開しない
・知的財産権を尊重する
・自分が間違っていた場合には真摯に対応
・コメント欄を正当な理由なしに閉鎖しない
ちなみにこのガイドラインは個人利用にも、業務利用にも共通して用いられています。
一方のコカ・コーラのシステムでは
・透明性の担保
・消費者のプライバシーの保護
・第3者の権利の保護
・技術利用に対する責任
・傾聴と事例の活用
という5つのポイントをソーシャルメディア活動においてコカ・コーラが掲げる5つの基本的価値観と定めています。
私が受講した11月22日の北岡弘章先生によるセミナー「ソーシャルメディア時代の情報リスクと法的対応」では先生によるソーシャルメディア・ポリシーの細かな説明のほかに、SNS関係の様々な説明がありました。
みなさんも様々なSNSを使っていると思うのですが、どうぞ利用には気をつけて下さい!
最後にセミナーの告知を1つだけします!
来週、当社では高橋太先生によるセミナー「事業再生ファイナンス概論」が開設されます。
http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/242347om.html
(事業再生までは至りませんが、SNSトラブルが元で社会的信用が大きく墜落した企業はたくさんありますよね)
興味のある方はお気軽にご連絡ください。
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