2度とも日本国内でのことを記事にしましたが、実際海外ではどうなの?
ということで、本日・来週月曜日の記事と2回続けては日本の主要取引国の移転価格に関すること情報を教えます!
今日は先進国編、月曜日は途上発展国編(留意点まで教えますよ!)をお送りします。
さて、改めて、国際移転価格税制を簡潔にまとめると、
海外の関連会社との取引においてその価格が適切に設定されているかどうかを検証し、所得の海外移転を防ぎ、適切な課税を行うための制度。
でしたね。
この制度が適用されると場合によっては企業が二重課税を強いられている可能性も出てきます。
適正かどうかの判断はアームズレングス基準(独立企業間基準)に基づいて判断されます。
かの有名な大統領像 ですね。 |
では諸外国がどうなっているか、概要と一緒に説明していきますね。
Washington monument |
導入されたのは1994年と他よりも10年ほど早いです。
内容は、移転価格文書化を確定申告書の提出時までに作成。税務当局(IRS)の要求から30日以内に移転価格文書を提出。
ペナルティは1課税年度の移転価格調整額によって20%と40%の罰金が追加徴税額に賦課されることになっています。が、同時文書化されていればペナルティはありません。
続いて、イギリス。
導入は2004年。内容は申告提出時までに作成・保存。税務当局から提出要請後30日以内に提出。
ペナルティは対象年度につき3000ポンドの罰金賦課、関連者間取引の基本的な文書を提出できない、独立企業間原則を提示できない場合は最大で追徴課税の100%の罰金が更に賦課。
アメリカ同様、同時文書化されていれば、ペナルティはありません。
ドイツはサッカー大国でもありますね。 |
そしてEUの経済大国、ドイツ。
導入されたのは2003年。内容は「事実関係に関する文書」と「独立企業間価格原則の遵守を証明する文書」を同等に要求され、税務当局の提出要請後、60日以内に提出。
ペナルティは文書を提出しない場合や提出した文書が使用できない場合は更生が行われた関連取引に関わる所得増加額の5-10%(最低5000ユーロ)賦課。60日を超えて提出した場合は最高100万ユーロ、最低で提出期限の超過日数1日当たり100ユーロの罰則金賦課。
オーストラリアでビーチやカンガルー・コアラを想像しました? こちらはメルボルンの夜景です。 |
そして南半球の先進国、オーストラリア。
導入されたのはアメリカに次いで1998年と早い時期です。
その内容は、適切な独立企業間価格を設定し、十分な文書を取引の計画あるいは実行の時点で作成・保存。関係者取引のschedule 25Aを申請書に添付、税務当局からの提出要請後28日以内に提出。
今日最後に紹介するのは、近年アジアで急成長してきた韓国。
導入されたのは日本よりも少し早い2008年。
その内容は国外関連者の簡易損益計算書、国外関連者の取引明細書、独立企業間の価格算出方法申告書の提出。資料提出要求日から60日以内であることを要求されています。
ペナルティは資料を提出しなかった場合には3000万ウォン。移転価格文書を保存していない場合には調査に基づいて更生された税額の約10~20%の過少申告加算税が賦課されます。
来週月曜日のブログ記事では、新興国の移転価格文書化をお伝えします!
対象国は中国、インド、ブラジル、ロシア! 次回は内容やペナルティだけでなく、留意点もお伝えしますよ!お楽しみに!
今回の記事の情報は3月28日に開催された岸谷暁先生のセミナー、『多国籍企業のための移転価格文書化への対応法』の導入部分から得ています。
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