2012年9月25日火曜日

ソフトウェア開発取引

みなさん、ソフトウェアの定義ってご存知ですか?

ハードウェアの対語だ!
と答えようと思う方は多いのではないでしょうか?

その通りです!ソフトウェアの対語はハードウェアです。
では経済産業省での正式な定義はどうなっているのでしょうか?

答えは・・・・・プログラム、コンテンツ、データベース類及び関連資料 だそうです。
(なんだかこっちのほうがわからないような気がしますが・・・)

近年、企業のIT化は急速に進んできました。
大幅なコストダウンが見込める大企業だけでなく、中小企業でもIT化は進められてきています。
しかし、それと同時にソフトウェア開発取引のトラブルも増加しています。
(それはそうですよね・・・・・すべての取引が円満に終わるなんてその夢みたいな話ありえませんよね・・)

その割合もなんと7割


つまり10件中3件しか満足した成果が得られていないことになります!
またトラブルが訴訟にまで発展するケースも出てきました。

そこで当社では9月10日に「ソフトウェア開発取引をめぐる法的問題~契約をめぐる法律問題と訴訟対応の実務~」と題したセミナーを阿部・井窪・片山法律事務所の松本卓也先生に講師をお願いして、セミナーを開催しました。
実際にこれに出席されてもらったので、今日はすこしだけその内容を紹介させていただきます!

ソフトウェア開発紛争は大きく分けて
1 ベンダからの請求
2 ユーザーからの請求 の2つに分けることができます。

そこからさらに
契約の成立が争われる類型、ソフトウェアの完成が争われる類型、追加・変更契約の成立が争われる類型、ソフトウェアの瑕疵の有無が争われる類型
に分けられます。
(瑕疵って難しい言い回しですよね? 欠点、欠陥があることだそうです!)

その原因としては
・ベンダが契約を締結していないのに作業を開始する
・要件定義所や外部設計書等の仕様書に不備が生じやすい
・ベンダの能力が不足している
・ユーザーがベンダの作業に十分に協力しない
・仕様の追加・変更が生じる
・仕様の追加・変更により、ソフトウェアの不具合が生じる
・ブログラムには著作権が生じる                  などがあげられます。

では実際にはどのような訴訟が起こされているのでしょうか??
判例をみてみましょう。

例1)A社はB社に電算システムの開発を依頼したが、電算システムは完成しなかった。A社はそれがB社に提案依頼書に記載されているプロトタイプ検証を実施する義務があるのに、限られた業務にしかこれを実施しなかったためであるとして、B社に債務不履行に基づく損害賠償を請求した。
この場合、契約書締結前の提案依頼書の内容は契約の一部となるのでしょうか?

例2)A団体はB社にデータベースの開発を依頼したが、データベースが完成しないまま納期が経過した。納期が経過した原因について、B社はA社の都合でデータベースの仕様が数多く変更されたためであり、A社に責任があると主張した。B社の主張は認められるでしょうか?

例3)A社はB社にソフトウェア開発を依頼し、B社はそれを開発し、Aさyに納入した。その後、ソフトウェアに複数のバグが発見されたが、これらのバグはいずれも簡単に修正可能なものであった。ところが、A社は要件定義所にない仕様が備わっているいない、バグが発見されたなどとして、ソフトウェアには瑕疵があるから、契約を解除し、損害賠償を要求するとの通知を送付してきた。
B社は要件定義書にない機能は仕様ではないと主張する予定であったが、バグについては瑕疵ではないと主張できるだろうか。

例4)A社はB社にソフトウェアの開発を依頼し、B社が納入したソフトウェアについてM社との間でリースを組んだ。ところが、B社のソフトウェアに様々な不具合が発見され、A社の業務がまわらなくなった。そこでA社はB社に対し、ソフトウェア開発の契約を解除し、既払い金の返還を求めるとともに、M社に支払ったリース料、プロジェクトに参加した従業員のプロジェクト参加期間の人件費を損害として賠償請求をした。A社の損害賠償請求は認められるだろうか?


どうでしょう?みなさん判断が着きますか?
これら今出した例はすべて近年実際に起こった訴訟です。
セミナーではさらに多くの例が出されましたが・・・・・ブログの終わりがみえなくなるのでこれぐらいにします・・・

セミナーでは、このほかにもソフトウェア開発の手法やそのプロセス開発の法的性質なども紹介してくれました!
それだけでなく裁判の実務勝訴の可能性反訴のリスク裁判以外の紛争解決手続きADRのことです!)についても教えてくれました!!
どの案件はADRに向いていてどれは訴訟の方がいいかなど・・・・専門家ならではの情報が満載でした。

当社では多岐の分野にわたるセミナーを開催しています!何か興味があるものがあればお気軽にお問い合わせください。
http://www.kinyu.co.jp/seminar.html


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